俺も育児休業取りたいけど収入はどうなるの?
出産にともなって「産休、育休とお休みに入るけど、その間の収入はどうなるのか不安」という方は多いと思います。
一定の収入は確保できそうですか、それぞれどれくらいの金額を受け取れるのでしょうか。
今回は産休、育休でもらえる給付金についてご紹介します。
目次
まずは知っておきたい「標準報酬月額」
各給付金を知る前に、出産手当金の算出に用いる標準報酬月額を理解しましょう。
標準報酬月額とは、健康保険料や厚生年金保険料を決めるために用いる月収区分のことです。保険協会が定めています。各給付金額はこの標準報酬月額をもとに算出されます。
標準報酬月額は、毎年4〜6月の報酬(総支給額)の平均から算出し、9月1日〜8月31日までの1年間の保険料を決定します。例えば4〜6月の総支給額の平均が33万円だった場合、標準報酬月額は「32万円」です。
なおここでいう総支給額とは、手取りではなく額面の支給額です。交通費、住宅補助などの手当もすべて含みます。
ご自身の標準報酬月額は、以下の方法で調べることができます。
- 企業の担当者に聞く
- 給与明細や通知書を確認する
- 健康保険料の保険料額表を調べる
>>>標準報酬月額・標準賞与額とは?|全国健康保険協会サイトへ
今回の記事では、以下の家庭を例にしましょう。
妻 | |
---|---|
勤務地 | 東京都の企業 |
年齢 | 28歳 |
健康保険料 | 13,860円 |
厚生年金料 | 25,620円 |
月収(目安) | 270,000円 |
標準報酬月額 | 280,000円 |
夫 | |
---|---|
勤務地 | 東京都の企業 |
年齢 | 30歳 |
健康保険料 | 14,850円 |
厚生年金料 | 27,450円 |
月収(目安) | 305,000円 |
標準報酬月額 | 300,000円 |
※健康保険料、厚生年金料、標準報酬月額は全国健康保険協会が東京都勤務者向けに定める金額を参考に記載しています。
産休にもらえる給付金「出産手当金」
出産手当金とは?
概要 | 奥さんの産休に支払われる給付金 |
---|---|
支払い元 | 健康保険 |
金額 | 標準報酬月額の2/3 |
支払い時期 | 産休2ヶ月後に振込 |
出産手当金とは、女性の産休時(産前42日産後56日)に受け取る給付金です。出産にむけて産休に入る間、企業から給与を受け取れないことへのサポートといえます。
出産手当金の給付額は?
出産手当金の給付額は、以下の計算で算出されます。
(支給開始日以前の12ヶ月の標準報酬月額の平均)÷ 30日 × 2/3 × 産休日数
280,000円 ÷ 30日 × 2/3 = 6,222円 / 日
産休日数を一般的な産前42日、産後56日、計98日間だとすると
6,222円 × 98日 = 609,756円
1ヶ月あたり190,000円貰える計算です。
注意!出産手当金の給付日は産後2ヶ月後
注意点は一般的な給付日が産後2ヶ月後であることです。産休中は収入がない状態になるので注意しましょう。
育休にもらえる給付金「育児休業給付金」
育児休業給付金とは?
概要 | 育児休業取得者(男女)への給付金 |
---|---|
支払い元 | 雇用保険 |
金額 | 休業開始時賃金日額×給付日数×給付割合(給付割合:180日以内67%、181日以上50%) |
支払い時期 | 育休開始2ヶ月後 |
育児休業給付金とは、育児休業中に雇用保険から支払われる給付金のことです。
育休は、男性の場合子供の誕生日から、女性の場合産休が終わった翌日(産後57日目)から始まります。そのため、育児休業給付金の支払い開始日は男女で異なります。
育児休業給付金の給付額は?
育児休業開始から180日までが賃金日額×給付日数の67%、それ以降は50%支払われます。「賃金日額」とは会社が提示する1日あたりの賃金額です。
モデルケース家庭(夫)が30日間育休を取得した場合
賃金日額×給付日数 | 10,000円×30日=300,000円 |
180日まで(67%) | 201,000円 |
181日まで(50%) | 150,000円 |
社会保険料・税金等の免除も
上記の給付金以外にも、以下の免除を受けることができます。
社会保険料、厚生年金保険料の免除
産休、育休中は社会保険料と厚生年金保険料の支払いが免除されます。
所得税の支払いの免除
産休、育休中は給与の支払いがない「無給」状態です。そのため、所得税は発生しません。
給付金の所得税課税の免除
出産手当金、育児休業給付金は課税対象にはなりません。翌年度の所得税率計算には含まれないので、翌年以降の所得税が安くなります。長期的に手取りが高くなるという嬉しい免除です。
注意!住民税は免除されません
住民税は昨年の収入に課税されるもののため、支払いが必要です。
社会保険料の免除に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
「実際に育休を取るとどれくらい収入が変わるの?」という方は、こちらのシミュレーターで計算してみてくださいね。
オマケ:産休、育休中にボーナス(賞与)はもらえるの?
産休、育休中のボーナス(賞与)支給は、企業の方針によって異なります。
筆者の会社の場合は以下のように決まっているようです。
産休中に賞与支給日がある:支給される
育休中に賞与支給日がある:支給されない
産休は在職、育休は休職として扱われるため、このような扱いになるようです。
労働基準法でも、産休を欠勤として扱い不利益を生じさせることを禁止しています。
育休を検討される際は、ぜひ勤務先の規定を確認してみてください。
まとめ
産休、育休は長い期間のお休みで収入が不安になりますが、給付金を受け取る制度は整っており生活費の問題はありません。
お金の不安をスッキリさせて、ぜひ前向きに検討してみてくださいね。
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